松本拓巳です。

今回のからの投稿ではエンドミルについての基礎知識が動画で学べます。

 

ここではより具体的にまた構造や材質、刃数や用途に応じた分類を説明します。

 

第6章 エンドミルの種類

 

構造による分類

構造による分類
・ソリッドタイプ
刃部とボデーまたはシャンクとが同一材料のもののことで、JISではむくフライスといわれます。
ハイスエンドミルは、外径の大きいサイズを除いてほとんどがソリッドタイプです。
・ろう付けタイプ
JISでは、ろう付けフライスと言われ、超硬合金の切れ刃を強靭な合金鋼のボデーにろう付けしたものが一般的です。ろう付けは、ハンダ付けの仲間で接着剤と同様の働きをするものを、ろう材と呼びます。超硬エンドミルのろう付けには、ハンダではなく銀、銅及び亜鉛などが混ざった合金が使われます。
・スローアウェイタイプ
JISでは、スローアウェイフライスと言われ、合金鋼の本体に四角や三角、あるいは丸の超硬チップをピンやねじを使って取り付けるタイプです。このチップは取外しも可能です。そのため、本体(JISでは「ボデー」と呼ぶ)があれば、色々な材質のチップを取り付けることも可能です。エンドミルは使用していくうちに刃先が摩耗して切れ味が悪くなります。そのとき、切れ味を回復するために再研削(研ぎ直し)を行います。しかし、スローアウェイタイプでは、再研削せず新しいチップと交換します。使用済みのチップは捨ててしまう(throw away)ので、この名称で呼ばれます。そのほかに超硬ソリッドの刃をシャンクにねじ込むヘッド交換式などがあります。

 

材質による分類

材質による分類
・ハイスエンドミル
ハイスを材質としたエンドミルのことを言います。ハイスエンドミルは製作が比較的容易であり、いろいろな形が作りやすく、また汎用の工具材質として非常に優れた性質を持っています。非鉄金属から鋳鉄、鋼までと幅広い材料の切削に適しているため、種類も豊富です。また、他の材質と比較すると、素材の価格が安いため工具の価格も安く、溶解ハイス、粉末ハイス、高級粉末ハイスなどがあります。
・超硬エンドミル
超硬エンドミルとは、刃部材に超硬合金を使用したエンドミルのことを言います。超硬は硬いため耐摩耗性に優れ高温でも硬さが下がりにくく、耐熱性に優れ、剛性が高いので加工精度が良いのが特徴です。短所を挙げると、超硬合金はハイスと比べ大変硬い分、靭性(欠けにくさ)は劣ります。
・サーメットエンドミル
サーメットとは、ハイスや超硬合金よりも耐摩耗性、耐溶着性に優れた素材です。ハイスや超硬合金と比べ靭性に劣りますが、耐摩耗性、耐溶着性に優れているので、仕上げ切削において大変きれいな仕上げ面を得ることができす。
・CBNエンドミル
CBNは非常に硬く、超硬合金の約2倍の硬さです。また高温でも化学的に安定しているため、切削中に鋼と反応しにくい、耐摩耗性及び耐熱性に優れるなどの材料特性を持っています。そのため、硬い材料を高速で長時間加工することができます。
・ダイヤモンドエンドミル
非鉄金属材料向けにダイヤモンド焼結体工具が開発されています。ダイヤモンド焼結体とは、粉末のダイヤモンドをCoなどの結合材で焼結(高温高圧で押し固めること)したもののことです。

 

形状による分類(1)

形状による分類(1)
2枚刃エンドミルは2枚の切れ刃を持つエンドミルのことです。
エンドミルの基本的タイプで、これ一本でさまざまな加工が可能です。切りくず排出性に優れ、溝切削及び穴あけ切削に適しています。しかし、刃数が少ないため剛性に劣りますので、切削時にたわみを生じやすい欠点があります。
4枚刃エンドミルは 4枚の切れ刃を持つエンドミルのことです。
2枚刃エンドミルと比べ、工具断面積が大きいので剛性は大きくなりますが、チップポケットが小さくなるので、切りくず排出性に劣ります。よって、切りくずづまりの心配の少ない側面切削や取り代の少ない仕上げ切削では、エンドミルのたわみが少ないため有利です。
3枚刃エンドミルは3枚の切れ刃を持つエンドミルのことです。
2枚刃エンドミルに近いチップポケットと、4枚刃エンドミルに近い剛性を持っています。よって、溝切削、穴あけ切削及び側面切削とあらゆる切削をするとき、最も有効に使用できます。
1枚刃エンドミルは 切れ刃が1枚のエンドミルのことです。
アルミサッシに使われている粘性の大きいアルミ合金などの軽合金加工では、切りくずがつまりやすいため、1枚刃エンドミルが多く使用されます

 

形状による分類(2)

形状による分類(2)
直刃エンドミルはねじれ角が0°のエンドミルのことで、別名スロッチングカッタ、スロッチングミルと呼ばれる場合もあります。製作が容易で、切れ刃形状の修正が簡単なため、テーパ刃や総形エンドミルなどの修正用として幅広く使用されています。また、軽切削加工用にも使用されます。
強ねじれエンドミルは一般にねじれ角が40°以上のエンドミルのことをいいます。切りくず排出性が高く、切削時の力の変動が小さいために切削性が優れます。溝や側面の切削に使用され、特に溝切削では切りくずがねじれに沿ってあがってくるので、切りくずづまりがおきにくいという長所を持っています。また、仕上げ切削では、きれいな仕上げ面を得ることができます。短所については、ねじれが強いために剛性が低く、たわみやすいことが挙げられます。
キー溝エンドミルはキー溝とよばれる機械部品の加工に使われます。キー溝とは、軸(シャフト)に円盤状のものをはめ込んで回転させようとするとき、その回転をうまく伝えるために使用するキーをはめ込むための溝です。このキー溝を加工するためのエンドミルをキー溝エンドミルと言います。一般に溝ねじれ角が15°前後で、刃長は短めです。ねじれ角を弱くすると、溝の倒れや拡大代を少なくできます。また、刃長を短くして工具剛性を高め、より一層溝の倒れや拡大代を少なくすることができます。
ボールエンドミルは先端が半円形状のエンドミルのことです。
ほとんどの機械加工では、加工物のコーナにピン角(直角)ではなく面やアール(R:丸み)をつけて、強度を保っています。そのため、使用されるエンドミルにも、先端が半円形状のボールエンドミルやコーナにアール(R)がついたラジアスエンドミル(次項で紹介)が使用されます

 

形状による分類(3)

形状による分類(3)
ラジアスエンドミルはコーナにアール(R)がついたエンドミルのことです。
加工物のコーナにアール(R)をつける場合や曲面の加工に使用されます。オーエスジーではコーナRエンドミルと呼んでいます。また、コーナに凹みアールがついたコーナラウンディングエンドミルというのもあります。
テーパ刃エンドミルは外周刃にテーパを持つエンドミルのことです。
切削する面が斜め(勾配)になっているところを加工する場合に使用されます。エンドミルや加工物を傾けないで加工することができます。
テーパ刃ボールエンドミルは先端が半円形状になっているテーパ刃エンドミルのことです。テーパ刃エンドミル、ボールエンドミル両方の性能を持ち、勾配面とそのコーナのアール(R)を同時に加工することができます

 

形状による分類(4)

形状による分類(4)
T溝フライスのT溝とは、Tの字を逆さまにしたような溝のことをいいそれを加工するエンドミルです。
フライス盤などの機械の加工物を取り付けるところをテーブルと言いますが、このテーブルには加工物をしっかりと固定するために使用するT溝がたくさんついていてその部分を加工します。
ラフィングエンドミルは外周刃が波状になっている荒加工用のエンドミルです。
この特殊な波状切れ刃がラフィングエンドミルの大きな特徴です。この切れ刃には、切りくず排出性がよいことや刃の山頂部分が被削材を切削するため、切りくずは細かく分断され、排出性も優れています。現在、ラフィングエンドミルには、エンドミルの外径に対し波状切れ刃の波(ピッチ)の大きいものと、細かいものがあります。中仕上げ用ニック付きエンドミルは外周刃にニックと呼ばれるすかしを加工したエンドミルのことです。
特徴はラフィングと同等ですが、外周刃に平らな部分があるのでラフィングより面が良くなります。また切削抵抗は、ラフィングエンドミルと比べると多少大きくなりますが、通常エンドミルより小さくなります。よって切込み量、回転速度および送り速度を増加させることができ、加工能率が向上します

 

以上になります。

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