因果関係を見つけるためには、以下の3点のチェックが必要だ。
❶時間的順序が正しいこと
❷相関関係が存在すること
❸第3因子が存在しないこと
❶「時間的順序が正しいこと」とは、時間軸上において、まず原因があり、その後に結果があることを言う。
❷「相関関係」とは、一方が変われば他方も変わるような関係を指す。たとえば、「小売店のリベートを切り下げたとたん、店頭での売上シェアが下がり始めた」という例では、リベートに応じて店頭での売上シェアも変わる関係にあるため、両者は相関関係にあると言える。
❸「第3因子」とは、ある2つの事象の原因となっている因子のことだ。同じ1つの因子が、異なる2つの事象の原因となっているため、2つの事象の間に相関関係が生じる。相関関係があるために、因果関係があるかのような錯覚を与えてしまうが、実際には、2つの事象に因果関係はない、もしくはほとんどないという場合だ。
まず理解したいのは、因果関係を考えるときには、3つのチェックがあるということを覚えておきたい。
皆さんは 因果関係 という言葉自体は知っているはずだ。
でも、この3つのチェックポイントを理解している人は少ない。
因果関係の議論になったときに、3つのポイントのチェックをするかどうかが重要だ。
そして、一番理解しにくいのが 第三因子 である。
2つ目の錯覚として、第3因子の見落としがある。第3因子が作用して2つの結果(仮にA、Bとする)を生じさせているとき、その第3因子の存在を見落として、AとBに因果関係があると錯覚してしまうことがある。共通の因子が作用しているためにAとBに相関関係が生まれるからだ。相関関係は、因果関係が存在するために必要な条件だが、相関関係があるからといって、必ずしも因果関係があるわけではない。例を挙げよう。
「イングリッシュプログラムZは英語のヒアリングカを高める。実際、イングリッシュプログラムZを実践した人が、実践しない人と比べて、英語を聞き取る量が120%高いことが実証されている」
これなどは英語教材にありがちなうたい文句だ。数字で示されていることで、客観性が高く、正しいと判断してしまいがちだが、本当に正しいだろうか。可能性としては、図に示したような、第3因子の存在が考えられる。英語のヒアリングカを高めたい人ほど、日常から積極的に英語に触れようとしている人が多いし、さまざまな英語教材への関心も高いという可能性は否定できない。もし、イングリッシュプログラムZの売り手がこうした疑問をクリアしたいのであれば、同じ被験者について、インクリッシュプログラムZの実践前と実践後の比較を行う必要があるだろう。

なお、この事例では、「英語を聞き取る量」という指標を用いている点も気になるところだ。人によって定義がバラつきそうだし、客観性も担保しにくい。非常に恣意性の高い指標との謗りは免れまい。客観性を高めたいのであれば、ヒアリングカを客観的に評価できるテスト、たとえばTOEICのリスニングセクションのスコアなどで実証する必要があるかもしれない。
ビジネスのうえでこのような錯覚に陥ると、何か問題が起こったときに誤った対策を立ててしまう危険性がある。たとえば、あるサービス業で、他社が市場に進出してきたのと時期を同じくして売上げが落ち始めたとする。そこで「競争の激化が売上げの低下を招いた」と結論づける。もちろんその可能性もあるが、実はサービスの質の低下が競合の進出を招き、売上減につながっているのかもしれない。その場合、もし自社サービスの質の低下(第3因子)に気づかす、競合に対する対策ばかり考えたとしたら、売上げを回復させることはできないだろう。
Q:今回の事例の3つに対して、間違えている事例をつくり説明してください。
❶時間的順序を間違えている事例 ❷相関関係が存在しない事例(なんでもいいです) ❸第3因子が存在しているのに因果関係を間違えている事例

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